この触感が俺に不快を起こさせ、 俺が此の世に存在してゐることRead More触感
油膜のやうに
虹色をその表面に湛へてゐる油膜のやうに なんにでも張り付いてRead More油膜のやうに
惚けてしまった哀しみの
惚けてしまった哀しみの 茶色い色はすっかり褪せて、 柿渋のやRead More惚けてしまった哀しみの
哀しいと言った奴が
それは何とも不思議な事であった。 確かに哀しいと言った奴がゐRead More哀しいと言った奴が
薄明の中の闇
其処に開けた闇へ至る道に 立てる脚を持ってゐるならば、 しっRead More薄明の中の闇
撲殺 二
更に一つのものが有無を言はせずに撲殺されたのだった。 なにゆRead More撲殺 二
揺れちゃった
浅川マキの歌が脳裡に流れる中、 仄かに揺らぐ吾の在所に 吾既Read More揺れちゃった
嗤ふ死神
そいつは不意に現はれて生を根こそぎ攫ってゆく。 その現実を前Read More嗤ふ死神
抽象的な無限
それは俺の手には余りあるものと言はねばならぬ。 しかし、闇がRead More抽象的な無限
進退谷まれり
何を思ったのか、彼は不意に哄笑したのである。そのひん曲がりなRead More進退谷まれり