何処で音が鳴ってゐるのか判然としない天籟が、 また、聞こえ出Read More天籟(てんらい)
顫動
かそけく羽ばたく蚊の羽音のやうに 時空は絶えず顫動し それにRead More顫動
五蘊場に棲む者どもよ
頭蓋内の闇を「五蘊場」と名付けた俺は、 其処に棲む「異形の吾Read More五蘊場に棲む者どもよ
頭痛に溺れる
脳の髄が拍動しているやうに じんじんと痛みを発する奇妙な頭痛Read More頭痛に溺れる
仄かなるもの
それは一体何なのだらうか。 仄かにその気配だけが感じられる存Read More仄かなるもの
徐に
そいつは徐に俺の頭蓋内の闇の中で立ち上がり、 ――ふはっはっRead More徐に
晒し首
さて、晒し首の頭蓋内にも思念が宿っているのかと言ふ問ひに対しRead More晒し首
死の爆風
仮に生者が死の領域へと踏み出した時、 星が大爆発をして死んでRead More死の爆風
惚けてしまった哀しみの
惚けてしまった哀しみの 茶色い色はすっかり褪せて、 柿渋のやRead More惚けてしまった哀しみの
油膜のやうに
虹色をその表面に湛へてゐる油膜のやうに なんにでも張り付いてRead More油膜のやうに