或る日を境に 彼女は疲労を訴へるやうになった。 そして、肉体Read More潰滅して行く
揺らめく御灯明に照らされて
和蝋燭の御灯明が 盧舎那仏を薄ぼんやりと闇から浮かび上がらせRead More揺らめく御灯明に照らされて
不安が募る夜を迎へて
野分けが日の本に近づき、上陸するのも時間の問題の中、 不安がRead More不安が募る夜を迎へて
ポンコツ悲歌
何をするにも不器用で 今以て私はポンコツといはれながら やっRead Moreポンコツ悲歌
ただ月満ちて
満月の今日、独りSionを聴きながら 酒焼けで嗄れに嗄れた彼Read Moreただ月満ちて
闇は闇のままで
闇は闇のままでゐ給へ これ以上光にその身を曝してはならぬ 闇Read More闇は闇のままで
間合ひ
日本刀一振りの長さが間合ひとして厳然と残るこの国で、 それをRead More間合ひ
玄武が司る北方に憧れて
地球が自転してゐても 殆ど動かずに一点にある北極星の不動性にRead More玄武が司る北方に憧れて
樹の枝に引っ掛かった深淵
此の世の光景とは思へぬ荒涼とした風景の中、 眼前の枯死寸前のRead More樹の枝に引っ掛かった深淵
寂寞たる心象
夏至が近づいて日脚が長くなり 外部は燃ゆるやうな新緑の季節だRead More寂寞たる心象