一%の大富豪と九九%の貧民ども

これは既に何年も前に予測されてゐたことに過ぎず、
このことに対して何の感慨もないのであるが、
貧民の私は勝ち負けで言えば完全に負け組なのだらう。
それでもドストエフスキイが『悪霊』で既に見抜いてゐた現代の実相は、
どうあっても貧民の革命なくしては変はる筈もなく、
革命こそが現代の貧民に課された使命なのだ。


――革命? 馬鹿らしい!


などといふ言葉を吐くものは、既にこの階級格差社会を受容してゐるのだ。
そんな奴に社会を任せる訳にはゆかぬ所まで、その格差は開いてしまったのだ。
九九%の貧民どもは、一%の大富豪に雇はれてほくほく顔をしてゐるならば、
それは大富豪どもの思ふ壺で、
一%の大富豪どもをその地位から引き摺り下ろさなければ、
貧民どもの怨嗟は消えぬのだ。
現状に満足してゐる馬鹿者達は、既に貧民として馴致されてゐて、
直に人工知能にその地位を奪はれることは規定の事実なのだ。
大富豪どもにとって貧民は一人消えようが全く心が痛むことはなく、
大富豪どもにとって貧民とはいくら搾取しようが構わぬ馬鹿者でしかないのだ。


さあ、今こそ、革命の勝ち鬨を上げる時なのだ。
『悪霊』では革命をことをお子ちゃまの火遊びのやうにも描かれてゐたが、
現代こそが貧民どもが革命の声を上げねばならぬその時なのだ。


それが出来ぬ意気地なしならば、黙って現状を受け容れるまでだ。
そんな輩は一%の大富豪に搾取され続けてかそけき人生を送るがいい。


そんな人生は真っ平御免だといふならば、
大富豪どもに対して反旗を翻し、
下克上を行はなければならぬ。


さて、現代の北朝鮮は現代社会の縮図なのだ。
あれを嗤って見てゐる貧民どもは、
自分が貧民であることに目を瞑り、
北朝鮮の様相に自分の顔が鏡に映ってゐることとも解らずに
他人事として貧民であることを自覚出来ぬのだ。


嗚呼、哀れなる哉、貧民ども。
何時革命の勝ち鬨の声を上げるといふのか。
今こそ、貧民は貧民であることを自覚して、
社会をひっくり返す革命を起こさねばならぬ。


その証左にイスラミック・ステート(IS)の出現は
徹底して暴虐の限りを尽くしてゐるが、
しかし、それは一昔前の革命の遣り口をそっくりに真似てゐるに過ぎぬ。
革命に血腥い醜態がついて回るのは、
それは、上流階級にある、
つまり、現代の大富豪をその地位から引き摺り下ろすには、
殺戮しかないと言ふ思ひ込みがあるからに過ぎぬ。


まず、吾が存在の革命を起こした上で、
大富豪を貶めるべく知略を尽くした無血革命を起こさねばならぬのだ。


さて、その時、吾が存在の存在革命はなお可能なのか。
積 緋露雪

物書き。

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積 緋露雪

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