何だかな、
今日はとっても草臥れた。
何にも考へたくもないのだが、
つらつらと草臥れた頭蓋内の闇には
意味不明な表象がぶつ切りに浮かんでくる。
それを一いち追ふ力もなく、
草臥れちまったおれは
唯、眠る時のそれを待ち望んでゐる。


しかし、草臥れちまったおれは、
さう簡単には眠れずに、
往生する筈なのだ。
草臥れちまった時程に、
おれの自意識は爛爛と覚醒しはじめ、
その好奇心溢れる自意識はその頭をむくりと擡げては、
俺の頭蓋内の闇を攪拌す。


だからといって何ものかが見つかる筈もなのだが、
眠れぬ自意識は俺の臀部に噛み付き、
へっへっへっ、と憎たらしい嗤ひを浮かべる筈なのだ。


何だかな、
今日はとっても草臥れた。
積 緋露雪

物書き。

Share
Published by
積 緋露雪

Recent Posts

狂瀾怒濤

吾が心はいつも狂瀾怒濤と言って…

1週間 ago

目覚め行く秋と共に

夏の衰退の間隙を縫ふやうに 目…

2週間 ago

どんなに疲弊してゐても

どんなに疲弊してゐようが、 歩…

3週間 ago

別離

哀しみはもう、埋葬したが、 そ…

1か月 ago

終はらない夏

既に九月の初旬も超えると言ふの…

2か月 ago

それさへあれば

最早水底にゆっくりと落ち行くや…

2か月 ago