矢鱈に眠い一日が過ぎていったのです。
どうしても起きてゐることが困難で、
とはいへ、私は何にも疲れてはをらず、
只管に眠い一日だったのです。
無理矢理に起きたところで座ったままに寝てゐる次第で、
どうあっても何かが私を起きさせない力が働いてゐたやうなのです。
そして私は或る女性との他愛もない巫山戯けた夢を見、
さうして私は欲情を夢の中で発露したのです。
その女性は美しく喘いで私を有無も言わずに受け容れてくれたのです。
それが何かの象徴とは捉へる愚行はせずに、
私は女に飢ゑてゐるに過ぎぬとは思ひながらも、
その夢は唯唯楽しかったのです。
積 緋露雪

物書き。

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