いよいよ現世が灼熱地獄の様相を呈してきた。
この酷暑は現世を生きる人人が罪を犯してゐるといふ証左であり、
地球の気候変動は、現世の人人に対する地獄の責め苦の一つである。
これから夏は更に暑く、冬は更に寒くなり、
特に夏の尋常でない気温上昇は、地獄の、灼熱地獄の現世化に外ならず
それだけ現世を生きる人人の罪は深い。
自業自得といへば、それはさうなのだが、
地球の尋常じゃない気温上昇は
――お前は罪人だ!
と、各人の己の罪深さを誰もが解るやうに直截に突き付けてゐる。
つまり、生きることが既に罪になってしまったのだ。
これを地獄と呼ばずして何を地獄と呼ぶのだ。
冷房に涼んで酷暑を回避してゐるものは、
これから訪れる更なる酷暑に冷房など何の役にも立たなくなった時に
どうするつもりなのか。
直に冷房が役立たずの時代がやってくる。その時、
――お前は生きてゐられるのか?
と閻魔大王は嗤ってら。
この酷暑に身を晒し、
其処で生死を賭ける危険な生を選ばずして
将来、どうして生きてゐられるといふのか。
灼熱地獄は確実に現世に越境してきてゐて、
現世を生きる人人は、全て罪人といふことを自覚させる為に
地球は更に急激な気温上昇をし、
灼熱地獄の責め苦に生きながら見舞はれ、
この地獄の中で、当然、死者は続出し、
然し乍ら、地獄で死んだものは、やはり地獄に堕ちるに違ひない。
地獄の責め苦を直截受け止めなくして
罪人は救はれぬ。
そのことで死者が続出しようとも
地獄の責め苦をまともに受けねば、
罪人は未来永劫救はれぬのだ。
積 緋露雪

物書き。

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