黄泉の国の使者ではあるまいし、 高が睡魔に襲はれたくらゐで、Read More朦朧
世界に脱臼する
操り人形の糸が切れたかのやうに 私の四肢はだらりと脱臼したやRead More世界に脱臼する
絶望の行進
我が物顔で行進するそれは、 こっちの都合なんて全くお構ひなしRead More絶望の行進
偽装
そのままでいいと言はれようが、 おれは終始偽装する。 それがRead More偽装
すれ違ひ
おれはしっかりとお前を見つめ、 最低の礼儀は尽くしたつもりだRead Moreすれ違ひ
惚れる
その存在を全的に受け容れたいと言ふ欲求に駆られ、 何もかもをRead More惚れる
幽玄なる重み
20世紀初頭に自身の患者の死の直前の体重と死後の体重を量ったRead More幽玄なる重み
或る冬の日に
手が悴(かじか)む中、 私は目的もなく、 或る冬の日の夜更けRead More或る冬の日に
焦燥する魂
空きっ腹にのむ煙草に全身が弛緩して行く中、 魂だけは吾を渇仰Read More焦燥する魂
死へ傾く
生と死の均衡が破れたとき、 生者はもう死へとまっしぐらへと突Read More死へ傾く