ぼんやりとしてゐると 何ものかが ――ふぁっ。 と欠伸をしてRead More欠伸をせしものは
魔の手
奇妙な皺を刻んだ其の手は、 老人の手のやうであったが、 いきRead More魔の手
十六夜の夜に追ひ込まれて
吸ひ込まれるやうに 女の裸体にむしゃぶりつきながらも、 心こRead More十六夜の夜に追ひ込まれて
至福
何に高揚してゐたといふのか。 人生のどん底にありながら、 思Read More至福
渇仰
飢ゑてゐる時ほどに寒寒と身体が冷えつつも、 眼光だけは鋭く、Read More渇仰
腰痛
ぎっくり腰か、 此処のところ腰痛に難儀してゐる。 それとも内Read More腰痛
別れ話においての優柔不断
――はっきりと決めてください。 さう言って彼女は不意に別れ話Read More別れ話においての優柔不断
漸減
粘性や摩擦により状態が漸減することで 此の世はまともに機能すRead More漸減
時間の矢なんぞ嘘っぱちである
時間を特別扱ひして、 それが虚時間だとしてもその有り様は一次Read More時間の矢なんぞ嘘っぱちである
誤謬する差異
数学が抽象的故に信頼を持ち得ると言ふ誤謬を もう哲学者を名乗Read More誤謬する差異