第二章


1. 地球はなかりし、引力を持つ球体もなかりし
不死のものの意思が膨脹せし
或ひは収縮せしは彼のあらゆる柔軟な思慮
死はなかりし、ところが、永劫不死の生命は湧き出したり


2.トランペットの響きで天は目覚めし、
そして、血の巨大な雲雲は逆巻く
ユリゼンのほの暗き岩岩の周りを、それは名付けられし
唯一の広大なものと


3.トランペットよ高らかに鳴り響け、そして、無数の「永劫」よ、
寒寒とした不毛の地の周りに集ひ給へ
今、雲雲と暗黒と水で満たされりそれは
錯綜する産みの苦しみが逆巻き、そして、
はっきりと言葉の数数を発す、突然の稲妻群は、
彼の山脈の頂上で渦を巻きし


4.暗黒の孤独の深きところとは異なり。
吾が聖なるところに残る永劫とは異なり、
吾が厳格なる忠言に隠匿されしものが際立ちて
未来の日日のために取っておきて、
吾は苦悩なき悦びを見し、
揺るぎなき堅固を
何故、汝、嗚呼、「幾つもの永劫」は死すなりけるか?
何故消えることなき炎は存続するなりけむか?


5.第一に吾は炎と戦ひけり、内部を焼尽せし、
世界の内奥深くを、
一つの空虚は広大無辺に、野生の暗黒と深淵
何もなきところ、「自然ども」が子宮で拡がりし


そして、自己でバランスを取りしものその空虚に手足を伸ばしけり
吾独り、さう、吾独り! 風風は残酷なまでに悲惨に
凝固せし、しかし、液化し、奔流となる
それらは堕ち、そして堕ちし、強き吾は跳ね返し
巨大な波を、そして、水の上に生まれし
堅牢な阻害物としての広大な世界が


6.金属で作られし本においてここに独りの吾は
智の秘密を書きし
暗き思索の秘密を
悲惨な戦ひや衝突によりて
「罪のものとして育った」恐ろしい怪物どもとともに
それらはあらゆるものの胸奥に巣くひし
魂の七つの救ひなき大罪


7.見よ! 吾は吾が暗黒を折りたたみし、そして、
この岩の上で、力強き手で
永劫の真鍮の「本」の執筆に取りかかりたる、
吾が孤独の中で書かれし其は


8.平和の、愛の、統一の法、
哀れみの、同情、許し。
各各がそれぞれ一つの棲処を選びたる
彼かの古代のものは無限の大邸宅にありし、
あるものは命じ、あるものは悦び、あるものは欲し、
あるものは呪ひ、あるものは重くし、あるものは測り、
あるものは王、あるものは「神」、あるものは「法」。
(続く)
積 緋露雪

物書き。

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