第七章


1.彼らは「子ども」をオークと名付けし、彼は成長す
エニサーモンの乳を与へられて


2.ロスは彼女を起こしぬ、おお、哀しみと痛み!
一つのぴんと伸びし腰帯が生じ
彼女の胸の周りに。噎び泣く中
彼は二人を繋ぐ腰帯を破りし
しかし、まだ別の腰帯が
彼女の胸にきつく巻かれし、噎び泣く中
再び彼はそれを破りぬ。再び
別の腰帯が繋がれし
腰帯は昼の間は形作られし、
夜の間は二人の間は引き裂かれぬ


3.それらは巌の上に落ちつつ
鉄の「鎖」へとなりし
お互ひ鎖の環と環で固く組み合はされし


4.彼らはオークを山の頂に連れ行きし。
おお、エニサーモンのなんと泣いたことか!
彼らは彼の若い四肢を巌に鎖で縛り付けし
「嫉妬の鎖」をして
ユリゼンの下は死のやうな影


5.死者は子どもの声を聞きし
そして、眠りから目覚め始めぬ
あらゆるものが。子どもの声を聞きし
そして、生の目覚めが始まりぬ


6.そして、飢ゑで渇望してゐるユリゼンは
「自然」の臭ひをひりひりと痛みを伴って感じけり
辺りで彼の隠れ処の数数を探査するなり


7.彼は一本の糸と一つの測鉛を形作りし
下方の「奈落」と分かつべく。
彼は分断の法則を作りし、


8.彼は重さを測る秤をつくりし、
彼は重き分銅を作りし、
彼は真鍮の象限儀を作りし、
彼は金のコンパスを作りし
そして、「奈落」を探査し始めぬ
そして、彼は果実の庭を作りし


9.しかし、ロスはエニサーモンの周りを囲みし
「預言」の炎をして
ユリゼンとオークの視野から隠すやうに


10.そして、彼女は巨大な一種族を産みし


(続く)
積 緋露雪

物書き。

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