森羅万象、顫動するも
何十億年の星霜が経ったであらうか。
時に激変を繰り返しながらも
森羅万象は存在としてあり続け
さうして今は一見安定期にあるやうに見えるが
よくよく見ると森羅万象は皆顫動してゐる。
それはまるで武者震ひにも見え
何年もの星霜の後に変化が訪れる予兆を感じてか、
森羅万象は顫動しながら何ものかへと変化する意思を持ち続けた結果、
その願ひが叶ふときがくるかもしれずと
その強烈な意思の持続は並大抵のものではなく
だからこそ森羅万象が相転移するが如くに
変化を遂げるそのときの悦びと不安は推してしかるべきものだが、
それでも有為転変が世の常ならば
変化は忽然と訪れるものだ。
然し乍ら、変化は大概期待外れなもので、
大抵は幻滅が先立つ。
だからこそ、なり得なかったそのものへの憧れは
森羅万象を更に顫動させ
瞋恚で森羅万象は呻吟の声を上げてゐる。
暁闇に聞こえると言ふどーんと言ふ音は
多分に夜明けの光明やPlasmaが、
太陽風に打ち当たった音に違ひないが、
しかし、それは光やPlasmaの嘆きにも思へる。
光やPlasmaもまた、何ものかへと変はりたくて、
その嘆きがAuroraとなり
それ故にAuroraは殊更に神秘的で美しい。
それこそ、Auroraは顫動してゐて、
一瞬も留まることはなく、
絶えず変化し続ける。
顫動する森羅万象は憤死するほどに
己に我慢がならず
更なる変化を求めて我慢するか、
或るひは断念するかのどちらかで
森羅万象は皆他力本願に身を委ねては
Collapseするときの宇宙を夢見るのだらう。
Ruinの激烈な轟音こそ、
森羅万象の夢見る宇宙の姿であり、
それが希望なのかもしれない。
そのときこそ森羅万象は豹変し
その破滅こそが変化と言ふものなのだ。