撤退に撤退を重ね 宿借りの如く身の丈にぴったりの隠れ家にやうRead Moreこの期に及んでは祈りあるのみ
蹲る吾
見猿、言は猿、聞か猿を体現したやうな吾が 頭蓋内の闇の脳といRead More蹲る吾
傀儡(かいらい)
私の体軀には私が憑依してゐるのだらうか。 ではその憑依してゐRead More傀儡(かいらい)
神秘に惑はされて
絶えず思ふのは、 例へば何億年も沈黙していた巌が 初めて口をRead More神秘に惑はされて
ぽつねんと夜通し灯りが灯る一室では
私が五蘊場と名付けたところの頭蓋内の闇に 仮に都市がすっぽりRead Moreぽつねんと夜通し灯りが灯る一室では
抱擁
暫くお互ひに見つめ合ひ、 互ひが互ひを受容する覚悟を決め 私Read More抱擁
雨音の中で
深夜、独り雨音だけが聞こえる中、 沈思黙考してゐると 思考はRead More雨音の中で
ドン・キホーテに続け
膨脹する妄想で最早現実を見失ひながらも、 狂気の騎士と化してRead Moreドン・キホーテに続け
不穏
アルフレート・シュニトケの音楽をかけながら 自刃したうら若きRead More不穏
鐘の音
――ぐおおおんぐうおおん。 時折、私の内部で鐘が鳴り響き、 Read More鐘の音