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ヘンリー六世 第一部 第二場 四

シャルル

待て、剣を留めよ! 汝はアマゾンなり。

そして、デボラの剣と戦へり。

ジョアン・・ラ・プュセル

基督の御母様が私めを助けるなり、また、私めは余りに弱過ぎしけり。

シャルル

誰が汝を助けやうとも、吾を須く助けるべしは汝なり、

堪へ難く吾は汝の欲望とともに燃え尽きたし、

汝に一度支配されし吾が心と両腕、

素晴らしき処女、もし汝の名がさうならば、

吾を汝の僕にし給へ、君主としてではないぞ、

かやうにして汝に冀ふのはフランス皇太子なり。

ジョアン・ラ・プュセル

私めは如何なる愛の典例もお見通しなり、

私めの職業は天からの神聖なもの故、

これから私めは汝の敵全てと戦ひし後に、

そのとき私めは報償を考へておくらむ。

シャルル

それまでの間、汝に平伏した僕を丁重に眺めてくれぬか。

レニエ

吾が卿は、私が思ふに、話がいと長けり。

アランソン公爵

疑ひなく彼はこの女性の彼女の下着に至るまで告白を訊くなり、

さうでなければ彼は話をそれほどに長くすることはできぬ。

レニエ

彼は素晴らしきを保持することから、彼を遮らうぞ?

アランソン公爵

彼は吾ら貧しきものたちが将に知ってゐる以上のことをするつもりらむ、

それらの女性たちは彼女らの言葉で誘惑するなり。

レニエ

吾が卿よ、あなた様はどちらにいらっしゃるなり? どんな妙案を思ひつきしか?

吾らはオルレアンを已めやうか、それとも攻めやうか?

ジョアン・ラ・プュセル

何故、否、吾はいふ、臆病を信用するまじ!

最期の息をするまで戦ふぞ、吾が汝を守らむ。

シャルル

彼女のいふことに吾確信す、吾らは戦ふぞ。

ジョアン・ラ・プュセル

私めは英国の災難であるべく天恵を与へられし。

今夜包囲網は確かに私めが解かむ、

暖かな小春日和に期待を込めて、

私めがこれらの戦争に加わったからには。

栄光は水面の波紋の如しなり、

それはそれ自身大きくなることを已めず

広く拡がりしことによりて、無へと分散するまで。

ヘンリーの死をして英国の波紋は終わりし、

それを含みし栄光の数数は霧散しをり。

誇りと侮辱の船の如く私めは今あり

それはカエサルとその未来をすぐさま曝け出すなり。

シャルル

マホメットは一羽の鳩により霊感を与えられしか?

それでは鷲によりて汝は霊感を与えられし。

偉大なるコンスタンティヌス帝国の母、ヘレナは、

汝のやうに聖ピリポの娘たちも汝のやううにはゐかぬ。

ヴィーナスの星の輝きは地上に降り注ぐ、

これまで汝はどれ程多くの人人に崇拝されしか?

アレンソン卿

遅れることを已めるべし、そして、包囲に対して立ち上がるべし

レニエ

女よ、汝は吾らの名誉を保てることならば何でもせよ、

オルレアンから彼らを追い出し給へ、そして、不朽の名声を齎した給へ。

シャルル

さあ、出発しよう――ついて来給へ、それを追ひ払はふ――

如何なる預言者も信ずるにたらむ、もし彼女が失敗したならば

退場

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