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溢れ出す死

死の中を彷徨ひ歩くのに似て、
これまで強制的に封じ込めてきた死が溢れ出した現世において、
人類は自然に対するヒリヒリする触感に戸惑ひ、
右往左往するその無様な様は、
窮鼠猫を噛む鼠にも劣ることを
須く自覚すべし。
殺鼠剤をも克服した鼠の生命力に比べ、
悲しい哉、無菌室育ちの末うら成なりの人類は、
無菌室で生成したVaccineワクチンに望みを託し、
人類の叡智の結晶などと宣ってゐるが、
鼠の生命力に比して
人類は身一つで大地に立つことを忘れ、
科学を始め、外部に救ひの手を求める愚劣を
今すぐ已めるべきなのだ。
ニーチェの超人ではないが、
進化とは、科学の進歩とも文明の進歩とも関係なく、
身一つで自然に対峙できうる生命力を如何に獲得するかにあるのではないか。


生存競争に身を晒すことでしか
真の進化は手に入れられぬ。
ここは、自然による生の選別を粛粛と受け容れ、
それで生き残ったものに未来を託す断念を
するべき時が来たのではないか。
生命力の獲得はさうすることでしか獲得できず、
また、さうして生き残ったものにのみ、
生者の称号が与へられるべきではないのか。

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