その時、巨大な何かがにたりと嗤ったのだら…
然し乍ら、倉井大輔の内部に棲む異形の吾…
何に怯えてゐたといふのか。 夜明け前の薄…
吾なるものの境を見失ってからといふもの …
青年の流行病はやりやまひの如き自同律に …
閑さや岩にしみ入る蝉の声と芭蕉が詠んだや…
何かをする気力が湧くことは全くなく 体軀…
憂鬱に没する私の宿痾においても尚、 どろ…
隙あらば吾を抹殺しやうと 手ぐすね引いて…
長患ひの末に お前は最期は眠るやうに静か…