うらうらと立ち上る陽炎は 曖昧であっては…
《吾》の内部に棲む餓鬼は何時も腹をすかし…
風邪を引いて微熱がある中、虚ろな目はぼん…
既に《吾》に邂逅してしまった《吾》ほど哀…
ゆらりと《存在》の背から立ち上りし白き影…
女との性交に溺れる事に飽きた《吾》は、更…
それは何処までも行っても切りがない猜疑心…
永らくその《存在》に対して万人が白い目で…
かの者は今も尚、十字架に磔にされて、人間…
何処からか何《もの》かの懊悩の声が絶えず…