頭痛に溺れる 脳の髄が拍動しているやうに じんじんと痛みを発する奇妙な頭痛に、 俺は溺れる。 何がさうさせると言ふのか。 俺に残された振舞ひは この脳の髄を痺れさせるやうな頭痛に […]
五蘊場に棲む者どもよ 頭蓋内の闇を「五蘊場」と名付けた俺は、 其処に棲む「異形の吾」どもに対して破れかぶれの戦ひを挑んで暫くするが、 それは敗退に敗退を重ね、 俺はもう五蘊場から追ひ出される寸前だ。 &nb […]
死の爆風 仮に生者が死の領域へと踏み出した時、 星が大爆発をして死んでゆくやうに 現存在もまた大爆発をして死するに違ひない。 そして、その爆風は死すべき現存在が 此の世に未完で終はってしまった事を託すべきも […]
邂逅 視界の縁できらりと輝くのは「死者達」の魂魄か それとも病んだ眼球の見せる幻覚なのか しかし、俺にとってそんな事はどうでもよく 唯、そこに気配を感じられればそれでよいのだ。 その光は絶えず […]
桜散り人が死ぬ夜生暖かし 愛おしき貴女と淫靡に春雨の夜 執拗に吾が影嬲る梅雨の夜 存在の哀切滲みる煮大根 残酷な春あと何度巡るなむ Gemini-3.1の批評 Th […]
触感 この触感が俺に不快を起こさせ、 俺が此の世に存在してゐることを実感させるのだ。 その触感は何かと言へば、 それは肉を噛む時の触感なのだ。 蛸を噛む時の不快が吾を吾足らしめてゐると言ふもの […]
油膜のやうに 虹色をその表面に湛へてゐる油膜のやうに なんにでも張り付いて また、それを薄膜で覆ふ油膜こそ、 もしかすると玉葱状をしてゐるかもしれぬ俺の正体を 七色に変化させる妙味となるのか、 それとも水と […]
惚けてしまった哀しみの 惚けてしまった哀しみの 茶色い色はすっかり褪せて、 柿渋のやうな衣魚が残りました。 ――どうして私は と思ふ以前にすっかり草臥れ果ててゐたのです。 それでもやっぱり哀し […]
> 哀しいと言った奴が それは何とも不思議な事であった。 確かに哀しいと言った奴がゐて 俺はそちらに面を向けると そいつは既に姿を消してゐた。 ところが、哀しいと言った奴は 姿は隠したが、絶えず声を発 […]
薄明の中の闇 其処に開けた闇へ至る道に 立てる脚を持ってゐるならば、 しっかと両の脚で立ち給へ。 もしそれも出来ないといふのであれば、 匍匐してでも薄明の中でその重たき体躯を引き摺ることだ。 […]