かそけき世界 この世界は 何とかそけきものなのだらう。 ――あっ、 と、何かを見つけても それが本当のものなのか 或ひは蜃気楼なのか 最早俺には区別が付かぬのだ。 さうして既にかそけき幻視の中に 埋没した俺は 其処にも見えるものを手に触れながら、 これが実物のものとしてこの世界に存在してゐるのか 単なる思ひ過ごしなのか 全く無分別になった事で、 全的に世界を受け容れられたのか。 絶えずかそけくある世界に対して 俺は反抗してみるのであったが、 俺を取り巻く幻視において、 俺は最早逃げ場なしの状態で、 へっ、つまり、お手上げなのだ。 このかそけき世界の金輪際に追ひ詰められた俺は 何と哀しい存在なのかと、嘆いたところで、 何にも変はりはしないのだ。 そんな事は疾くの昔に知ってはゐたが、 実際に世界が幻視の中に埋没してしまふとなるとRead Moreかそけき世界

