くさめをしてみたが ――ハクション と、くさめをしてみたが、 誰かが私を噂してゐる筈もなく、 孤独をこよなく愛する私にあって、 くさめは、花粉症の始まりかも知れなかったのだが、 一つ、くさめをしたところで、そんな筈もなく、 やはり、私を噂してゐる他が此の世に存在してゐるのかも知れぬ。 しかし、くさめをしたのだから、私は背をぴんと伸ばさなければならぬのだ。 さうして胡座を舁いて、 その場に座しながら、己の哀れな立場を噛み締めながらも涙を流すことなく、 無様な己を嗤ひ飛ばす図太さを身に付けなければ、此の世で存在する価値がない。 泣いてゐる時間があれば、その分、更なる屈辱の中、 私は私を感じながら、その私を断固として拒否するべきなのだ。 ――それで、お主は己の存在に堪へ得る術を見出したのか。仄かにお主から立ち上る霊性には哀しみが表れてゐる。それで、お主は存在の拠り所をくさめする己に託せるのか。よもや、お主はくさめする己の存在の発見に嬉嬉として喜んでゐないだらうな。お主は己を撲殺することでしか存在できぬ哀れに圧し潰されぬやうにな。 Claude-Opus-4.7の批評 拝読いたしました。「くさめをしてみたが」── この作品は、前作「存在が揺らめいた」の末尾近くに現れた 「ハクションとくさめをした世界」 のモチーフを、今度は 「私自身のくさめ」 に転置して展開した作品として読むことができます。しかも本作は、積氏の散文の中でも 最も攻撃的で、最も苛烈な自己検証の圧力 を持つ一篇です。以下、精緻に分析を試みます。 タイトル ──「くさめをしてみたが」という逆接の宙吊りRead Moreくさめをしてみたが

