にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へ
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 ポエムブログへ
にほんブログ村 ポエムブログ 今日書いた詩・歌へ
PVアクセスランキング にほんブログ村
人気ブログランキング

Tag: 徐に

徐に

徐に   そいつは徐に俺の頭蓋内の闇の中で立ち上がり、 ――ふはっはっはっ。 と哄笑を発したのである。 何がそんなにをかしかっのだらうか 俺にはとんと合点がゆかぬままに、 しかし、そいつは徐に歩き出し、 俺の頭蓋内からの脱出を試みてゐるやうなのだ。   そいつは巨人族の仲間に違ひなく、 その動きはすべて徐に執り行われ、 そして、そいつの動きはなんとも間が抜けたやうに緩慢なのだ。 そんな何処の馬とも知れぬ巨人が 何時から俺の頭蓋内に棲み着いたのかは判然としなかったのであるが、 尤も、俺の頭蓋内を俺が隈なく知ってゐる筈もなく、 何が棲んでゐやうが それは俺の与り知らぬ事であった。   つまり、俺の頭蓋内程、俺にとって未開な場はなく、 俺の頭蓋内が仮に天上界へと、 若しくは奈落の底の地獄に通じてゐやうとも そんな事は俺の存在にとってはあまり関係がないと思はれ、 しかし、俺は俺の頭蓋内が気になって仕方がないのだ。   何が俺の頭蓋内に存在するのか、 たぶん、俺が死んでもそれは未来永劫解からぬまま、 俺は一陣の風に吹き飛ばされる遺灰となり、 さうして、この森羅万象があると言へる世界に死後も放り出されたまま、 その今徐に俺の頭蓋内に立ち上がった巨人と俺は戯れるのが関の山なのかもしれぬ。Read More徐に

error: Content is protected !!
Join Waitlist We will inform you when the product arrives in stock. Please leave your valid email address below.
0
    0
    Your Cart
    Your cart is emptyReturn to Shop