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Tag: 軛を付けた私は

軛を付けた私は

軛を付けた私は   いつからこんなに足取りが重くなったのか。 惚けて空を流れる雲に見とれてゐたためだらうか。 それにしても雲はいい。 法則に縛られてゐるにもかかはらず、自在なのだ。 雲はみるみるうちにその姿を変へ、 今生のものとは言ひ難いほどの美しさを帯びた雲は、 私の思ひも引き連れて、何処へか私の夢想を運びゆく。   さうして雲をずっと眺めてゐたら、 どうやら私には軛が付けられたやうなのだ。 つまり、それは私が雲を眺めてゐると何処へかに行ってしまふのを 何かが恐れてゐるのかもしれぬのだ。 しかし、雲は実にいい。 雲を眺めてゐるだけで私の心は躍るのだ。 嗚呼、単なる水蒸気の塊に過ぎない雲に何故にこんなに心が惑はされるのか。 それは一つとして同じ姿をしない雲に「多様」を見てゐるからなのか。 それは間違ひなのかもしれぬ。 尤も、雲は雲なりに不自由を感じてゐるに違ひなく、 自在である筈はない。 此の世で自在であるのは神仏以外あり得ぬのだ。   ふっ、もしかしたならば、先験的に私はさう思はされてゐるのかもしれぬ。 果たして神仏は此の世に存在するのか。 仮に不在ならば、何が此の世の法則を決めてゐるのか。 森羅万象の癖が此の世の法則と呼ばれるものなのだらうか。   今生に生まれ落ちてしまったものは、 取り留めなく宇宙を漠然と考へてそれを観念に変へ、Read More軛を付けた私は

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