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Tag: 魔が差す

魔が差す

魔が差す   平衡感覚に不図魔が差す刹那、 吾が五蘊場では何かの繋がりが切断したやうに 何ものも摑む物を失ひ、 そのまま、卒倒するのだ。 意識は、しかしながら、とってもはっきりとしてゐて、 ぶつりと切れたその五蘊場の繋がりを再び繋ぎ合わせる余裕はなくとも、 ぶっ倒れゆく己のその様は、とてもゆっくりと起こり、 だが、確実にぶっ倒れた俺は、 地に臀部が接した刹那、 意識が膨張するやうな錯覚を覚え、 肥大化する自意識と言ふ化け物を見てしまった。 その化け物は、さて、何思ったのか、吾が肥大化した己を喰らひ始めるのである。 少しでも、吾が身を落ち着かせようと、 あるひは肥大化した自意識を萎ませようと躍起となるのかも知れぬが、 一方で、地に平伏するしかない俺は、最早身動きもできぬ嘆かわしい事態に遭遇する。   頭蓋内が鬱血したかのやうな感覚が甦る中、 衰へゆく吾が肉体の有様は目も当てられぬのだが、 それでも生きることは已められぬ侘しさを思ふ。 意識のこの切断に見る狼狽は、全く凪ぎ状態と同じであり、 悠然と吾が卒倒を味はひ尽くすやうに肥大化した自意識は、 自らを喰らひつつもその歯形で五蘊場に卒倒の記憶を刻むのか。   意識に魔が差すといふことが卒倒でしかない吾が反射の貧弱さは、 恥辱の端緒となり得、 それでも、尋常ではないその状況は、受容せねばならぬことなのだらう。   意識に魔が差したとき、Read More魔が差す

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