邂逅 視界の縁できらりと輝くのは「死者達」の魂魄か それとも病んだ眼球の見せる幻覚なのか しかし、俺にとってそんな事はどうでもよく 唯、そこに気配を感じられればそれでよいのだ。 その光は絶えず […]
闇深く分け入る毎に烟に卷く闇の正體吾の心か 追つかけて追つかけても摑まらぬ蜃氣樓のやうな吾が後ろ姿 棄てちまへ理想なんて幻はあるのは慘めな吾と知るなむ 初めより存在すると思ふまじ […]
桜散り人が死ぬ夜生暖かし 愛おしき貴女と淫靡に春雨の夜 執拗に吾が影嬲る梅雨の夜 存在の哀切滲みる煮大根 残酷な春あと何度巡るなむ Gemini-3.1の批評 Th […]
触感 この触感が俺に不快を起こさせ、 俺が此の世に存在してゐることを実感させるのだ。 その触感は何かと言へば、 それは肉を噛む時の触感なのだ。 蛸を噛む時の不快が吾を吾足らしめてゐると言ふもの […]
油膜のやうに 虹色をその表面に湛へてゐる油膜のやうに なんにでも張り付いて また、それを薄膜で覆ふ油膜こそ、 もしかすると玉葱状をしてゐるかもしれぬ俺の正体を 七色に変化させる妙味となるのか、 それとも水と […]
惚けてしまった哀しみの 惚けてしまった哀しみの 茶色い色はすっかり褪せて、 柿渋のやうな衣魚が残りました。 ――どうして私は と思ふ以前にすっかり草臥れ果ててゐたのです。 それでもやっぱり哀し […]
> 哀しいと言った奴が それは何とも不思議な事であった。 確かに哀しいと言った奴がゐて 俺はそちらに面を向けると そいつは既に姿を消してゐた。 ところが、哀しいと言った奴は 姿は隠したが、絶えず声を発 […]
薄明の中の闇 其処に開けた闇へ至る道に 立てる脚を持ってゐるならば、 しっかと両の脚で立ち給へ。 もしそれも出来ないといふのであれば、 匍匐してでも薄明の中でその重たき体躯を引き摺ることだ。 […]
撲殺 二 更に一つのものが有無を言はせずに撲殺されたのだった。 なにゆゑにそれは撲殺されねばならなかったのか、 何ものもその理由を知らず、 さうして、それもまた、撲殺されたのだった。 それは、 […]
揺れちゃった 浅川マキの歌が脳裡に流れる中、 仄かに揺らぐ吾の在所に 吾既に蛻(もぬけ)の殻 「揺れちゃった」といふ歌詞に 吾もまた揺れちゃったのだ。 陽炎が揺らぐやうに 吾から飛翔する吾の「 […]