行方知れず おれの心は何処へ行ってしまったのだらうか。 と嘯いてみては、 何時の間にか行方知れずになってゐたおれの心は、 ふらりふらりと此の世を彷徨ってゐるといふのか。 心が抜けたこのおれは、 何の感情も湧 […]
渺渺と 時に意識を失ふことがあるが、 その時の渺渺たる感覚は何処に源泉があると言ふのだらうか。 既に無意識なる言葉を信じてゐないおれは、 その時の意識状態を意識溶解と呼んでゐる。 意識がないとは何処までも膨 […]
意識の居所 緩やかに眠気が襲ふ中、 さて、意識は何処にあるのであらうかと自問す。 果たせる哉、意識は頭蓋内の脳と言ふ構造をした五蘊場にあると言ふのは 単なる先入観でしかなく、 気があるところに意識は遍在してゐるに違ひない […]
Irony(アイロニー)な存在でありたい 誤謬であることを承知しながらも それを呑み込みながら、 おれの存在を存続させるIronyに自嘲しつつ、 それでいい、と自分に言ひ聞かせながら おれは心底Ironyな存在でありたい […]
言霊の残る国において 国旗に文字を書くのは多分この極東の島国の人間には殊更に多いと思ふ。 他国では国旗に文字をびっしりと書くなんて稀なことに違ひない。 或ひはこれは私の不見識故のことなのかもしれぬが、 唯、この国の人人が […]
初夏といへ朝晩冷えるまだ春殘滓生き延びたるや天仰ぎ見る 潰滅す吾は廢人爲り果せ救ひは埴谷の死靈とドストエフスキイ 吾である吾當て嵌めるその箍の禁忌破りて吾狂乱す 氣紛れに弄ばれつ […]
赤裸裸に 何ものも素面であると言ふ此の世界は、 何ものも傷つきやすい赤裸裸にその存在を表出してゐるのといふのか。 それともお互ひに対して畏怖を以て赤裸裸なることを強要されてゐるのといふのか。 何ものも諸行無 […]
欠伸をせしものは ぼんやりとしてゐると 何ものかが頭蓋骨の内側で、 ――ふぁっ。 と欠伸をしてゐるのにも気付かずに、 微風が頬を掠める仄かな感触にはっとする。 其の感触はといふと、実に気色が悪 […]
魔の手 奇妙な皺を刻んだ其の手は、 職人の手に刻まれるこぶだらけの老人の手のやうであったが、 いきなりおれの胸ぐらを摑んではあらぬ方へと抛り投げた。 おれは、あっ、といふ声すら出せぬままに、 その魔の手が投 […]
浄土の門探して歩く野遊かな 霞濃く人現はれて消ゆる朝 霞立つ心さやぎてもの閑か 道の上櫻花びら鮮血や 霞む中白影の人何を急く Claude-Fable-5の初見での […]