独断的存在論私論 二 錐揉み状に此の世にばっくりと大口を開けたパスカルの深淵に落ち行く吾は、 果たせる哉、底無しの中を何時までも自由落下し、 それは何時しか浮遊感とも混濁し、 吾が果たして落ちてゐるのか浮遊 […]
矛盾は豊潤 此の世は不合理故に矛盾は豊潤であり、 矛盾の棲処である渾沌を呑み込むべき存在として吾はある。 そもそも吾の存在を合理的と看做してゐる誤謬の徒は 最早その存在根拠を見失ひ、右往左往してゐるのが実情 […]
哀しき光線 ひとたび発せられてしまふと、 仮に宇宙が有限だとして もう宇宙を一周する以外に元の場所に戻れぬ素粒子どもの中でも、 光子は特に哀しいのかもしれぬ。 或る人は何物にもぶつかることが殆どないニュート […]
潰滅 在るものが静かに潰滅しゆく様は、 なんと自然な様なのだらうか。 しかし、此の自然といふ言葉が曲者で、 果たして人智で自然そのものを捉へられるとでも 哀れな人類は考へてゐるのだらうか。 そもそも人智を超 […]
後ろ向きで いつも前向きといふ言葉に恥辱を感じてゐた私は、 いつも、後ろ向きであった。 その恥辱の感情の出自は何かと問ふたところで、 しばらくは何の答へも見つからず、 いつも前向きであることを避けては 斜に […]
病 それは避けようもなく、 静かに忍び寄ってきて、 不図気付くとそれは既に手遅れの状態なのだ。 病とは大抵そんなもので、 気付いたならば既に手遅れの場合が多い、と慰めたところで、 気休めにもならず、唯唯、未 […]
私は函数ではない 私は性能がもの凄い計算機でも私の頭蓋内の闇、 つまり、脳といふ構造をした五蘊場が函数を模した存在でもない。 例へば仮にさうだと看做せても私は死んでも絶対に肯んじない。 私の存在が函数のやう […]
無意識といふ麻薬 無意識といふ言葉は無意識が実際にあるか如く使用されるが、 果たせる哀、実際にはそんなものはないと思ふ。 意識は全て意識上に浮上してゐて、 意識下に沈下してゐるものは、 沈下してゐるやうに擬 […]
睡魔に溺れる 夢魔に睨まれたのか、 どうしてもこの睡魔から逃れる術は私にはなかった。 突然の睡魔の襲来に 何の準備もしてゐなかった私は、 その不意打ちに為す術はなかったが、 睡魔に陥落する私は、 しかし、夢 […]
曖昧な 濃い霧の中にでも放り込まれたやうに 私は既に世界を失ってゐた。 辺りは無気味なくらゐに静寂に包まれ、 私が現在どのやうな状態にあるのかすら判別出来なかった。 つまり、世界は私の状況を知 […]