立ち姿 ぴたりと立ち止まったならば、 もう動くことは為らない。 貧血でぶっ倒れるときでも直立不動の姿のままどすりとぶっ倒れろ。 それがこの世界に対するせめてもの反抗の形なのだ。 アトラスの如く世界を背負って […]
がらんどう さう、私の内部は一言で言い切るならばがらんどう。 そのがらんどうに五蘊場、つまり、脳と言ふ構造をしたがらんどうは 魑魅魍魎が犇めき合ふ異世界の有様をしてゐる筈で、 容れ物によって自 […]
剔抉してみたが 興味本位で《吾》を剔抉してみたが、 抉り取られたものは虚でしかなかった。 それは当然の事、 《吾》がさう易易と私に囚はれ物に為る筈もない。 その摩訶不思議な《吾》を以て 私が私として此の世に […]
独断的存在論私論 もしかしたならば高村光太郎の言葉だったかも知れぬが、 「私の前に道はなく、私の後には道がある」 といふやうな内容の言葉に、一時期惑はされてゐたが、 去来現(こらいげん)が因果律を持つのは、 […]
実念論 ――ほら、其処にも念が彷徨ってゐる。 さうなのだ。此の世には「先験的」に念が存在してゐて、 何時存在物へと転生するかその時期を見計らってゐるのだ。 ――初めに念ありき。 […]
渇仰する 何をそんなに渇仰する必要があると言ふのか。 既に俺はかうして此の世に存在し、 そもそも俺は己の存在を自明とし、 ふっ、それよりも恬然と此の世を満喫してゐるのに、 何を渇仰するものがあると言ふのか。 […]
思弁的超越論私論 気配すらをも潜めし《それ》は、 自らの意思、否、《念》において 「先験的」に《吾》は存在すると自覚してゐて、 カント曰くところの「物自体」はカントの誤謬かもしれず、 物自体は全てかっと目を […]
端座する 俺の振る舞ひに決定的に欠けてゐる礼儀は ここぞと言ふ時には全的に大仰なその形式に則って 先づは端座するべきことなのだ。 例へば他人を前にして、 ぴんと張り詰めた緊迫感にしかと身を引き […]
擬態する神 何てことはない。 神と呼ばれてゐたものは、 森羅万象に擬態し、 その身を隠してゐて、 常人には見えない存在として此の世を闊歩してゐたのだ。 それが知れたからと言って、 神は全く臆す […]
くさめをしてみたが ――ハクション と、くさめをしてみたが、 誰かが私を噂してゐる筈もなく、 孤独をこよなく愛する私にあって、 くさめは、花粉症の始まりかも知れなかったのだが、 一つ、くさめを […]