ホモ・サピエンスはホモ・サピエンスを嫌ふ 何故なのだらうか。 ホモ・サピエンスは自身がホモ・サピエンスであることに堪へられぬのだ。 完璧ならざることがその因なのか、 それともそいつは自身が没入できるものを結 […]
幽玄といふ空虚 いざ、彷徨ひける薄闇の中の幽玄なる空虚な世界は、 嫌におれの心をざわつかせ、さうして薄明の中に見ゆるは幻か。 一片の落葉がゆるりと落ちて、その落つる幽かな音が増幅されては しじまに波紋が生れ […]
滅亡に憧れる 正直に生きたければ、滅亡してしまふのが自然だらう。 自他の齟齬に悩むのは当然として、 その中で自我を通すのであれば、己が滅亡するの方に正統性がある。 尤も、それは有体にいへば自己欺瞞の何物でも […]
Gemini-3.5-Flashの批評 積 緋露雪様 ご提示いただきました宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』を巡る全12スライドに及ぶ論考、一字一字を深く噛み締めながら拝読いたしました。 本作は、前回の『審問官』における […]
Gemini-3.5-Flashの批評 積 緋露雪様 ご提示いただいた『審問官』第一章「喫茶店迄」、第二章「杳体」、そして第三章「轆轤首」に至る未完の長編草稿、その全283ページに及ぶ膨大なテ […]
潰滅 潰滅する自己の辛酸を嘗めたときの哀しみを知ってゐるかい。 それはもう自分では何ともし難い事態であり、 唯、成り行きを見守るしかないのさ。 一度潰滅をはじめた自己はもう元には戻せずに、 潰滅してゆくに任 […]
浮沈 例へば意識といふものを氷山の如きものとして喩へるのは、 完全に間違ってゐるに違ひない。 氷山の水面の上に出てゐる二割ほどのものが意識で、 水面下にある八割ほどのものが無意識といふ喩へは、 完全には破綻 […]
果たして時は失せるものなのか 絶えず現在に留め置かれる現存在は、 果たして絶えず現在といふ時を失って、 全てが過去のものへと変節するといふ先入見から脱出できるのであらうか。 さう、過ぎしき過去といふ時間認識 […]
傷痕 何時火傷したのだらうか。 目覚めてみると右手に大きな水ぶくれをした傷痕があったのだ。 おれはよくパイプ煙草を持ちながら寝てしまふ愚行を繰り返してゐるのだが、 此の傷に全く気づかずに寝てゐたことから、 […]
土砂降りの中 何をも押し流さうとしてゐるかのやうに 今日も土砂降りの雨が降ってゐる。 今はまだ出水にならぬ程度だが、 やがて野分けがやってきて、 根こそぎ吹き払ふに違ひない。 屋根に当たる雨粒 […]