誰でもよかった ――誰でもよかった。 また、自殺願望者が無差別殺戮を理不尽にも断行した。己の手で自死出来ぬその未練たらたらな生への執着が無差別殺戮の凶行へと駆り立てたのであるが、そのやうに彼を駆り立てた本当の正体は、己に…
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それでも壁を叩く 眼前に立ち塞がる巨大な巨大な壁を前にして おれはそれが無駄な足掻きに過ぎぬと知りながら、 どうあっても素手で叩いてぶち破る妄想のみ抱き 狂気の人と化して延延と叩き続ける。 壁といふものは誰にも存在するも…
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水底で揺れてゐるやうな ぐにゃりと奇妙に歪んだ太陽を仰向けで眺めながら、 その柔らかい陽射しに揺らめく炎を眺めてゐるやうな 何となく慈しみに満ちた雰囲気に抱かれたおれは、 溺死した死体に過ぎぬ。 然し乍ら、閉ぢられること…
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「自分らしく」に潜む欺瞞性 「個性、個性」と叫ばれて姦(かしま)しいが、 普通に暮らしてゐれば、「個性」に感(かま)けてゐる暇などない筈だ。 人間が人間である以上、俗にいふやうな意味での「個性」が、 さう易易と立ち現れる…
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生きる 仮令、天使を鏖(みなごろし)にしても それが生きるに相応しい道ならば 迷はずそれを実行し、 何としても生きるのだ。 その血腥い罪を背負ってこそホモ・サピエンスの宿痾なのだ。 ホモ・サピエンスならばホモ・サピエ…
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霞を喰ってでも 到頭、金が底を尽き、 財布に五円、カードには残高六十七円しかなく この先一月の間、飲まず食はずの生活を強ひられるが、 それでも俺は楽観的だ。 野垂れ死にが本懐の俺は 所詮、困窮の末に死すのも望むところ…
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