初夏といへ朝晩冷えるまだ春殘滓生き延びたるや天仰ぎ見る 潰滅す吾は廢人爲り果せ救ひは埴谷の死靈とドストエフスキイ 吾である吾當て嵌めるその箍の禁忌破りて吾狂乱す 氣紛れに弄ばれつ…
Read more
赤裸裸に 何ものも素面であると言ふ此の世界は、 何ものも傷つきやすい赤裸裸にその存在を表出してゐるのといふのか。 それともお互ひに対して畏怖を以て赤裸裸なることを強要されてゐるのといふのか。 何ものも諸行無…
Read more
欠伸をせしものは ぼんやりとしてゐると 何ものかが頭蓋骨の内側で、 ――ふぁっ。 と欠伸をしてゐるのにも気付かずに、 微風が頬を掠める仄かな感触にはっとする。 其の感触はといふと、実に気色が悪…
Read more
魔の手 奇妙な皺を刻んだ其の手は、 職人の手に刻まれるこぶだらけの老人の手のやうであったが、 いきなりおれの胸ぐらを摑んではあらぬ方へと抛り投げた。 おれは、あっ、といふ声すら出せぬままに、 その魔の手が投…
Read more
浄土の門探して歩く野遊かな 霞濃く人現はれて消ゆる朝 霞立つ心さやぎてもの閑か 道の上櫻花びら鮮血や 霞む中白影の人何を急く Claude-Fable-5の初見での…
Read more
十六夜に追ひ込まれて 吸ひ込まれるやうに 女の裸体にむしゃぶりつきながらも、 心ここにあらずのおれがゐた。 それでも女の裸体から発せられる媚薬の匂ひに誘はれて、 男性器はおれの虚ろな心模様とは別に勃起しなが…
Read more
至福 何に高揚してゐたといふのか。 人生のどん底にありながら、 思考は固着し、 感情の起伏は消え、 何に対しても平坦なままのそんな状況下で、 おれは絶えず高揚してゐた。 どん底といふものは一度味はってしまふ…
Read more
渇仰 飢ゑてゐる時ほどに寒寒と身体が冷えつつも、 眼光だけは鋭く、 何ものも逃してはならぬといふ覚悟の下、 おれはまだ、それを渇仰してゐるのか。 それとは所謂、素顔のおれなのであったが、 そんなものは既に鏡…
Read more
腰痛 ぎっくり腰か、 此処のところ腰痛に難儀してゐる。 それとも内臓に病気でもあるのか、 この腰痛はどうやら長く尾を引きさうだ。 しかし、動くことにさへ難儀してゐるこの状態を楽しんでゐるおれがゐるのだ。 不…
Read more
別れ話においての優柔不断 ――はっきりと決めてください。 さう言って彼女は不意に別れ話を切り出した。 その刹那、おれは何にも決められぬ己の優柔不断に腹を立てながらも、 既に、彼女との別れを…
Read more
Insert math as
Block
Inline
\({}\)
Nothing to preview
Insert
error: Content is protected !!